卒業旅行 IV


墓参りでそんな経験をした私達が選んだ卒業旅行
それは人間を見てみたいというものだった
内容は一週間だけ京都からこの住む場所まで歩くと言うことだった
そんな簡単な遠足だ
しかしこの遠足にはルールがあって
それを必ず守らなければならない

・お金を一切持たないこと
・お金を貰っても絶対に使わないこと
・道中は何があろうと歩くこと
・1cmでも乗り物には乗ってはいけない
・決められた服装以外は着てはならないこと
それだけだった

服装は30万ぐらいかかった
寝袋は当然、ミナミのスポタカで買ったし(笑)
下履きは靴ではなく地下足袋を使用した

まずは0日目は目的地の京都へ行かなくてはならない
そこまでは電車賃だけを貰い
電車で行った
格好が格好なのでかなり恥ずかしかったが
とにかく京都へ着いた
しかしお金がなかったので
京都中をうろうろ歩いていて
丁度良いお寺があったので軒下を使わせてもらった

1日目
夜が明けたのでモゾモゾと寝袋から抜け出し
お寺の人に外の水道を使わせてもらえるように声をかけた時
お寺の人は私達の存在に驚き
朝食に正体された
前日は夕食を食べてなかったので
かなり助かった
そしていつ食べられるかわからないので
ふたりでかなり食べた
「若い子は沢山食べるなぁ」
と感心されたが、たぶん5合ぐらいはペロリを食べたと思う

そしてお寺の人にお礼を言い
伏見へ足を向け鳥羽街道を昔の地図と今の地図を
照らし合わせながら向かった
鳥羽街道を南下しつつ
困った問題が起こった
それは・・・トイレである
民家でトイレを借りようにも
「トイレが汚れているから」
と貸してくれない
そして珍しそうに私達を見ている

こちらが声をかければ逃げるくせに
笠の下から覗いてくる
かなり失礼な行動である

トイレの問題はどうしたかって?
それは・・・
男だけが出来る方法で解決するしかない
詳しくは書けないが男性ならば想像が着くはずである

そんなこんなで夜もふけていき
私達は一軒の大きなお寺に今晩の宿を頼んだ
ここのお寺は奈良五山で有名な宗派で住職も偉い人だった
ここで夕飯を食べさせてもらい
夜がふけるまで説教が始まった。。。
今でも何故説教をされたか思い当たらない

要はその宗派がいかに立派かを言いたかったのだろう。。。汗


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